ミルフォードトラック
ニュージーランド
歩く距離・日数53.5km 4日間
基本情報
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特徴
ミルフォード・トラックでは、ニュージーランド南島の手付かずの自然を満喫できる。テ アナウ湖とミルフォード・サウンドを結ぶ53.5kmのトレイル。年間を通じて200日を超える降雨があり、水資源に恵まれている。同国でもっとも大きな落差を誇るサザーランドの滝をはじめ、道中でいくつもの滝や湖を眺めることができる。夏のピークシーズンは、個人客は自然保護局の小屋に毎晩泊まらなくてはならない。
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歴史
ミルフォード・トラックは、先住民族であるマオリの人々が貴重なグリーンストーンの収集と輸送に使っていた道にルーツを持つ。グリーンストーンとはヒスイの一種である軟玉のことで、マオリ族は武器や宝石として利用していた。入植者によるトレイルの「開通」は1888年になる。冒険家のクインティン・マッキノンが密集したブッシュを抜けて、テ・アナウ湖からミルフォード・サウンドまでのルートを切り開いた。ルート上の最高点であるマッキノン・パス、クインティン・フォールズなどは、彼にちなんで名付けられている。
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自然
手付かずの森や湖、広大な渓谷など素晴らしい風景がミルフォード・トラックにはある。それらを作り上げているのが、年間に200日降るとも言われる雨だ。年間7,000~8,000mmもの降水量があり、雨天時のミルフォード・サウンドでは、カスケードと呼ばれる一時的な滝が出現し、岩肌を流れる幾千もの水流が見られる。あまりに多雨なため、崖の土壌がゆるみ、地滑りが起きることもしばしば。上部から次々に崩れ落ちていくこともある。
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ニュージーランドで、もっとも有名なハイキングルートのひとつがミルフォード・トラックだ。壮大な山岳風景とフィヨルドの複雑な地形が150年以上にわたり世界中のアウトドア愛好家を魅了している。 このトレイルはニュージーランド南島の南西にあるフィヨルドランド国立公園の山々と温帯雨林に囲まれています。テ・アナウ湖の北端を起点に、全長53.5kmの道のりをたどってミルフォード・サウンドに至るルートだ。晴天の下では、まるで絵はがきのような息を飲む絶景が広がる。しかし、雨の日にこそ、ミルフォード・トラックの魅力が引き出されるという声もある。山の斜面に無数の滝が突如として姿を現し、流れ落ちていく様子にこそ、このトレイルの醍醐味があるという。 ハイシーズンはアクセスが厳しく規制されており、悪天候であろうとも4日間で踏破しなければならない。その行程は初日がテ・アナウ・ダウンズから船に乗ってトレイルヘッドに移動。きれいに整備されたトレイル、いくつもの吊り橋を越えて1時間ほど歩くと、クリントン小屋に到着する。2日目はヒレレ滝のそばを通り、最高点となるマッキノン・パス(標高1,154m)とポンポローナ氷原を見ながらミンタロ・ハットに至る16,5kmの道のりだ。 3日目はミルフォード・トラックを切り開いたクイント・マッキノンの記念碑までは、ずっとジグザグ道が続く。登りきったところがマッキノン・パスである。呼吸を整えながら、周囲を見渡せば、素晴らしい絶景が広がっている。後方を振り返るとクリントン渓谷、北側にはアーサー渓谷。その奥に見える山並みのさらに奥にミルフォード・サウンドが控えている。 峠を下っていくと、板張りの遊歩道になる。その先にある脇道に入ると、ニュージーランドで最大の落差を誇るサザーランド滝に対面できる。落差580mの三段の滝は、氷河の水をたたえたクィール湖の流出口から垂直に流れ落ちている。 最終日は数々の美しい滝や吊り橋を満喫できる。マッケイ滝とアイダ湖、そしてルート上で最後の滝となるジャイアント・ゲート滝を堪能しよう。滝から1時間半ほどで、トラック終点のサンドフライ・ポイントに到達する。そこからミルフォード・サウンドに渡る船は午後2時と3時に出発する。 10月下旬から 4 月下旬にかけてが夏のピーク・シーズンで、北に向かう一方通行になり、1日あたり最大40人までがトレイルを歩ける。数カ月前から予約で埋まっていることも珍しくない。5 月から10月中旬までのオフシーズンは自由に移動できるが、小屋や橋が撤去されている。