トレス・デル・パイネ
チリ
歩く距離・日数130km 6〜8日
基本情報
-
特徴
チリの南部に位置する国立保護区は、世界中のアウトドア愛好家のメッカだ。荒涼としたパタゴニアの風景が広がるこの地の代表的なルートは2つ。「Oサーキット」はコルディレラ・デル・パイネ山脈を巡る126kmの周回コース。この短縮版とも言えるのが、もう一方の「Wサーキット」だ。こちらは67kmと距離が半分程度で、より手軽なこともあり人気が高い。公園名にもなっている「トレス・デル・パイネ」は、尖った花崗岩で形成された3つの岩峰であり、象徴的な景色となっている。
-
歴史
この地方を初めて訪れた外国人観光客と考えられているフローレンス・ディクシーは、1880年に出版した自著の中でこの地域について触れており、 トレス・デル・パイネを「クレオパトラの針」と呼んだ。その後、多くの科学者、探検家が足を踏み入れることとなり、1959年に国立公園として設立、11年後に現在の名称が付けられた。1976年には、英国の登山家ジョン・ガーナーらが、パイネ山塊を1周するサーキット・トレイルを開拓した。
-
自然
パタゴニアの草原に突如として姿を現す、高さ3,000mにもなる山塊だ。公園内にはアクアマリン色の水が流れ、広大な氷河が横たわっている。公園の西側には南パタゴニア氷原が広がり、大小の氷河が流れ出している。ジョン・ガードナー・パスからのグレイ氷河の眺めは圧倒的のひと言だ。1日で四季を体験できると言われており、多様な植生を目にすることができる。絶滅危惧種のアンデスジカを筆頭に、ハイイロギツネ、コンドルなどの野生動物が生息している。
-
パタゴニアの荒野の果てにあるトレス・デル・パイネ国立公園は「世界の果て」とも呼ばれる地理的条件にも関わらず、世界中から足を運ぶアウトドア愛好家が後を絶たない。 そびえ立つ花崗岩の岩峰、広大な氷河、息をのむような山道、刻々と変化する激しい天候。自然の美しさ、厳しさという両側面が際立つこのエリアには毎年25万人が訪れている。 いくつものトレッキングルートがある中で、もっとも代表的なルートが「Oサーキット」と「Wサーキット」だ。どちらのルートも3つの切り立った岩山に象徴されるコルディレラ・デル・パイネ山脈がハイライトになる。 Oサーキットは、この山脈の周囲126kmを巡ってループするコースだ。ハイカーの少ない山脈の裏側では、大きな岩層に近づくことはできないものの、パタゴニアらしい風景を楽しむことができる。行程は7~11日だが、不安定な天候として知られる地域であり、余裕を持った予定を組むに越したことはない。 長い期間を費やすことができない人には、Wサーキットがおすすめ。距離は67kmとOサーキットの半分ほどで、そのハイライトとなる場所を巡ることができる。日程は4~6日を見ておきたい。 山々に囲まれたヴァッレ・フランシスは、多くの人の心を奪ってやまない。ここではフランシス氷河、岩壁に張り付いた懸垂氷河を望むことができる。公園の西側には、南パタゴニア氷原とグレイ氷河が広がっており、ターコイズ・ブルーの湖に豊かな水を供給している。 グレイ氷河はWサーキットに含まれていない見所だ。Oサーキットの最高点となるジョン・ガードナー・パスの峠からは、全長20kmにもなる巨大な氷河を眼下に置くことができる。