トンガリロ・アルパイン・クロッシング
ニュージーランド
歩く距離・日数19.4km 6時間
基本情報
-
特徴
「トンガリロ・アルパイン・クロッシング」は火山性地形を特徴とした19.4kmのトレイル。道標はよく整備されているが、だからと言って決して簡単なトレイルではない。「悪魔の階段」と呼ばれる険しい登りがあったり、火山から噴出された黒色の岩片スコリアに覆われ、バランスを取りづらい斜面もある。コース上の最高地点レッド・クレーターを越えた先に待っているのが、エメラルド・レイクス。鮮やかな色彩の湖面が荒れた岩稜と美しい対比をなしている。湖のエメラルドグリーンは、地中から溶け出してくるミネラルの成分によるもの。
-
歴史
このコースのあるトンガリロ国立公園は山岳地帯の保護のため、1894年にニュージーランド初、また世界では4番目に古い国立公園として登録された。この国立公園の山域は、先住民マオリ族にとって古くから信仰の対象であり、聖地として崇められてきた。火山活動によってつくられたドラマチックな景色とともに、マオリとの歴史、文化的なつながりが認められ、自然遺産と文化遺産の両側面を持つ世界複合遺産としても登録されている。
-
自然
トンガリロ山(1,967m)、ルアペフ山(2,797m)、ナウルホエ山(2,291m)によって形成されるトンガリロ国立公園。活火山が多いタウポ火山帯に属しており、地形にも火山活動の影響が色濃く残っている。溶岩流の跡や蒸気や火山ガスを噴出する噴気孔、月面を思わせる巨大なクレーター、火山湖が訪れた者たちを魅了する。ナウルホエ山、トンガリロ山の噴火口には年間を通して雪が残っているほか、夏でも降雪することがある。
-
ニュージーランドを代表するトレイルがトンガリロ・アルパイン・クロッシングだ。北島の中央に位置しているトンガリロ国立公園に広がるルートは、蒸気を吐き出す噴気孔、氷河の谷、古代に起きた溶岩流の痕跡、鮮やかなエメラルドグリーンの火口湖などにより唯一無二の風景を織りなしている。 全長19.4kmのルートは、マンガテポポ、ケテタヒのどちらも発着点とすることができるが、登りを少なくするなら、西側にあるマンガテポポを起点とした方が良い。 圧倒的ですばらしい景色が続くため、見所を絞りこむのは難しいが、あえて印象的な風景を取り上げるなら、対照的な色彩を連続して楽しめる2つのスポットだろう。 その名の通り、燃え盛るような赤色に染まった噴火口が特徴のレッド・クレーター。赤い色は、岩石に含まれる酸化鉄によるものだ。 レッド・クレーターから下っていくと、こちらも名前がすべてを表現しているエメラルド・レイクを楽しめる。鮮やかな緑色は手に取ってみたくなるのだが、注意が必要だ。この湖は酸性度が高く、たいてい周辺では硫黄臭がただよい、蒸気が立ち上っている。 「ニュージーランドで最高の日帰りトレッキングルート」として人気を博しているのは、火山活動によってつくられたダイナミックな景色に加え、文化的な側面があるからだ。マオリ族はこの地を聖地として崇め、精神的に深くつながってきた。文字を持たない彼らは、山々にまつわる神話を継承し、今に残している。 ※最新情報は現地サイトにてご確認ください。