ケプラー・トラック
ニュージーランド
歩く距離・日数60km 3−4日間
基本情報
-
特徴
ケプラートラックは、ニュージーランド南島のフィヨルドランド国立公園にあるテ・アナウ湖を起点に周回する60kmのコースだ。同じく、フィヨルドランド国立公園の一部にまたがるルートバーン・トラックと、「世界で最も美しい散歩道」として人気の高いミルフォード・トラックの負担軽減のために設計、整備されている。そのため、稜線からのパノラマ、原生林、滝、氷河に削られてできた谷といったフィヨルドランドの自然を満喫することができる。コース上には、3つの小屋と 2つのキャンプ場があり、シーズン中は事前予約が必須。
-
歴史
1988年のニュージーランド国立公園100周年を祝うプロジェクトとして、フィヨルドランド国立公園委員会のアルフ・エクセルとレス・ヘンダーソンが「アラウンド・ザ・マウンテン・ウォーク」を提案。この提案が受け入れられ、88年にニュージーランドを代表するグレートウォークのひとつに加わり、オープンした。青少年プロジェクトに取り組む「オペレーション・ラレー」の参加者が集い、多くの歩道とアイリス・バーン小屋とラックスモア小屋が建設された。
-
自然
このコースは、南島に残る手付かずの自然を満喫できるように熟考されている。多彩な野鳥たち、巨大なブナや広大なシダの森、在来種であるタソックの茂る高原、雄大な山々、石灰岩の造形などを眺められるはずだ。運が良ければ、コース上でニュージーランドの国鳥・キーウィの鳴き声を聞けることも。アイリスバーン・ハットで一夜を過ごす際には、耳を澄まして静かに待ちたい。自然に配慮しつつも、ぬかるみには木道が渡してあるなど、トラックは歩きやすいように整備されている。
-
ニュージーランドを代表するグレート・ウォークの新たなルートとして、1988年に誕生したのがケプラー・トラックである。 「ケプラー」の名は、ケプラーの法則で知られる天文学者ヨハネス・ケプラーに由来する。ニュージーランドの天文学者であり、測量局長などを務めたジェームズ・マッケローが命名した。 南島の南西に位置しており、フィヨルドランド国立公園ビジター・センターから歩いて小一時間ほど、車なら5分の距離でトレイルのスタート地点に至る。周回コースであるため、ここが出発点であり、終着点となる。 多くのトレッカーは反時計回りに進路を取り、ラクスモア小屋まで15kmを歩く。これにより、体力のある初日に起伏の大きな区間を終えることができる。傾斜の急な場所には階段が設置されているので安心だ。 ラクスモア山(標高1,472m)に至るトレイルは、ケプラー・トラックのために切り開かれた区間である。ほかのトレッキングルートは、マオリのトレイルや開拓時代の探検ルートを基にしてつくられたものが多いが、このルートは違う。ニュージーランドの国立公園制定100周年プロジェクトの一環で、新しいルートとして整備されることとなった。 トレッキングを楽しむ目的でつくられた純粋なルートであり、自然保護局(DOC)によって美しく維持管理されているルートは気持ちよく歩くことができる。整備の背景には、人気の高いミルフォード・トラックとルートバーン・トラックの負担を軽減するようにと企図されている。 ラクスモア山への道のりは、見どころに満ちている。コケに覆われたブナの森、森林限界を超えた稜線での素晴らしい景色。テ・アナウ盆地とタキティム山脈、スノードン山脈、アール山脈の雄大なパノラマが広がっている。ここではケアという大柄で知能の高いオウムを見かけるだろう。 ルート後半は高低差が少なく、ゆったりとした気持ちで歩ける区間が多い。森の中は、さまざまな野鳥を観察するチャンスだ。夜間には宿泊している小屋の周辺で、在来種のフクロウ・ルルやニュージーランドの国鳥として知られるキーウィの鳴き声に耳を傾けてみよう。 フィヨルドランドの天候はとても変わりやすく、悪天候、雪に覆われたトレイル、凍結に遭遇することもある。こまめに天候をチェックし、充分な備えが必要だ。ルート沿いにある小屋とキャンプ場は、シーズン中は事前予約が必須。 60kmの大きなループを描き終える頃には、南島の大自然を心ゆくまで堪能できていることだろう。 ※最新情報は現地サイトにてご確認ください。