テ・アラロア・トレイル
ニュージーランド
歩く距離・日数3000km 4カ月
基本情報
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特徴
「テ・アラロア・トレイル」は、ニュージーランド北端から南端まで3,000kmを歩いて踏破できるロングトレイルだ。国立公園の森、砂浜、牧草地、火山群など大自然に浸るだけでなく、南北に長い国土を縦断していくため、人口の多い北島、手付かずの自然が残る南島と両者の違いをも楽しむことができる。既存のトレイルを組み合わせてつくられているため、「クィーン・シャーロット・トラック」「トンガリロ・アルパイン・クロッシング」など人気のトレイルもたどることができる。
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歴史
アウトドアの盛んなニュージーランドにおいて、歴史あるトレイルはいくつもある。その中で、テ・アラロアは2011年につくられた新しいルートだ。構想自体は1960年に山岳団体によって提唱されていたものの、なかなか敷設は進展がなく、2006年ごろから、多くのボランティアらの手によって整備が進められた。先行するトレイルを使いつつ、新たに開かれたルートもあり、「モタタプ・アルパイン・トラック」もその一つである。
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自然
南島の森林地帯と高山地帯には、オウムの一種である「ケア」が生息している。全長50cmほどで、オリーブ色の翼を広げると、その下が鮮やかなオレンジ色に彩られているニュージーランドの固有種であり、絶滅危惧種に指定されている。いたずら好きで、しばしば荷物を持ち去られるという。クマやオオカミなど、テント泊の脅威となる野生動物は生息していない一方で、小屋泊でも注意したいのがネズミだ。手の届くところに食料を置いておくと、寝ている間に食い荒らされてしまうことも。
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南北に長いニュージーランドを縦断するロングトレイルがある。 それが全長3,000kmにおよぶ「テ・アラロア・トレイル 」だ。マオリ語で「長い道のり」 という名前の通り、北端から南端までをつないだコースを歩けば、美しい牧草地、原生林、火山群、牧場などニュージーランドの多彩な景観を満喫できる。 その行程は、北島のレインガ岬から南島の町・ブラフまで、ひとつの国を歩き抜くコースである。踏破するには1日25kmを毎日歩いても120日間、4カ月は掛かる計算となる。 北島は1600km強の道のりで、砂浜、森に覆われた稜線、牧草地、火山群の眺めが楽しめる。南島は1400km弱で、美しい国立公園、高原の牧場、山岳地帯の峠がハイカーを迎えてくれる。 多様性に富む風光明媚な景観をたっぷりと満喫できるだろう。コースの途中には、街やマオリ族の集会所である「マラエ」などもある。 スルーハイクを考えているなら、春の終わりごろに北島をスタートするのがおすすめだ。人口の多い北島では行く先々でキャンプ場が利用できる。南島に至る頃には夏が訪れており、山道の雪や川の増水をあまり心配しないで済む。人の少ない南島では山小屋が利用可能だ。 自然に恵まれている一方、ニュージーランドは「1日の中に四季がある」と言われるほど天候を予測することが難しいことでも知られている。夏でも南極からの風が吹けば、雨を雪へと変えるほどの冷気を運んでくるため、長期間の旅となると、特に注意が必要。 コース上でマオリ人の集会所「マラエ」を訪れることもできる。マラエは、マオリの彫刻が刻まれた大きな建物「ファレヌイ」と、その正面に「マラエ・アテア」という広い空間で構成されている。集会や祝い事、葬儀などが行われており、周囲を覆う柵の外からの見学は自由だが、中に入るには注意が必要。初めての訪問者は「ワエワエ・タプ(聖なる足)」と呼ばれ、「ポフィリ」という歓迎の儀式を受けなければ、敷地内に入ることはできない。 アウトドアの盛んなニュージーランドでは、多くの人がトレッキングに親しんでいる。そのため、長距離を歩いて旅するスキルは敬意の対象にもなっている。 ロングトレイルを旅する者にフレンドリーな人も多く、出会った人に食事に招かれたり、ひとしきり語り合りあったりと、出会いが特別な思い出をもたらしてくれるはずだ。 ※最新情報は現地サイトにてご確認ください。