ジョンミューアトレイル
アメリカ
歩く距離・日数340km 17日-24日
基本情報
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特徴
ヨセミテ渓谷からホイットニー山までを結ぶ340km(213マイル)のアメリカを代表するロングトレイルだ。ゴール地点となるホイットニーの山頂は標高4,421mと、アラスカを除くアメリカ本土の最高地点となる。 トレイルのほとんど全てがシエラ・ネバダの標高3,200m近くになる高地であり、手付かずの自然が広がっている。ヨセミテをはじめとする3つの国立公園、2つの原生自然環境保全地域が含まれており、世界有数の大自然の中にどっぷりと浸ることができる。
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歴史
「自然保護の父」と称されたジョン・ミューアの名前がこのトレイルに刻まれている。彼はナチュラリストの草分けであり、博物学者でもある。国立公園の理念をつくり、そのシステムの開発と制定に尽くした。1872年には森林伐採に対して反対の声を挙げ、ヨセミテが国立公園に指定される原動力となっている。ミューアの死後、彼が設立した環境保護団体シエラ・クラブはこのトレイルをつくる事業を始動。ミューアの生誕100周年となる1938年に完成させた。
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自然
原生の森、まばゆい輝きを放つ幾多もの湖、壮大なスケールの峡谷。ジョン・ミューア・トレイルでは、「手付かず」の自然と呼ぶにふさわしい世界がどこまでも続いていく。どこまで行っても構造物を目にすることはない。サウザンド・アイランド・レイクはトレイル上のハイライトとも言える景観を誇り、背後にそびえるバーナー・ピークと合わせてつくりあげられる壮観な景色は圧巻だ。遭遇する可能性のある危険な動物は、ブラックベア。食料の匂いに誘われて襲われないように、食料管理には気を付けたい。
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「山に行くことは家に帰ることです」
「自然保護の父」と呼ばれるナチュラリスト、ジョン・ミューアの言葉だ。
心の底から山が好きだと分かる言葉だが、彼の名を持つジョン・ミューア・トレイルは、自宅にするにはいささか豪華すぎる。
多くのバックパッカーが口をそろえて、アメリカでもっとも美しいと言葉に熱をこめる山岳風景に立ち会えるロングトレイルだ。そびえ立つヨセミテの花崗岩の壁、原生の深い森や数千の湖。手付かずの自然がどこまでも続く。ヨセミテ、キングス・キャニオン、セコイアの3つの国立公園、ジョン・ミューア、アンセル・アダムスという2つの原生自然環境保全地域が含まれている。
ヨセミテ渓谷からホイットニー山までを結ぶ340km(213マイル)の道のりを歩いている間、建物はおろか、舗装路を目にすることもない。そんな期間が何日も続くことが珍しくない。
湖面に大小様々な形の島や岩を浮かべるサウザンド・アイランド・レイクスでは、背景に標高3,943mのバーナー・ピークがそびえ、シエラを代表する絶景となっている。
トレイルの歴史を紐解くには、その名が冠されているジョンの存在が必要不可欠だ。
ミューアは19世紀後半、ゴールドラッシュで人口が増大していた西海岸において、森林伐採やダム建設から、シエラの自然を守り続けた。まさに自然保護の父と称賛されるにふさわしい功績である。
ヨセミテを訪れ、その美しさに魅了されたことが彼を保護活動に駆り立てた。19世紀後半のことであり、当時は現代と比べて自然保護に対する意識が希薄な時代であった。彼の尽力もあって、1872 年にヨセミテが国立公園に指定されている。
ミューアが設立した環境保護団体シエラ・クラブは彼の死後、このトレイルをつくる事業に乗り出した。23年という長い時間を経て、1938年に整備が完了。この年はミューアの生誕100周年の年であった。
世界でもっとも有名なトレイルのひとつであり、開発を免れているがゆえに警戒すべきこともある。トレイル全域にわたってクマが生息しており、食料の保管が義務付けられている。香りによってクマを引き寄せないために、食料保管ケースであるベアキャニスターに密封。食べた後のごみや石鹸、化粧品など匂いのするものも詰めて、テントから離れたところに置く。
「山のジョン」と親しみをこめて呼ばれたミューア。彼の愛した美しき自然を守るために、野生動物への配慮も忘れることなく、すばらしきトレイルを歩きたい。
※最新情報は現地サイトにてご確認ください。