チェジュ・オルレ
韓国
歩く距離・日数ルート1 15.1km・4~5時間
基本情報
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特徴
韓国の最南端に浮かぶ済州島(チェジュド)を歩いて一周できる425kmのコースだ。「オルレ」とは、済州を発祥とするトレッキングコースのことで、韓国語の方言で「通りから民家に続く細い路地」を指す。島を一周する21のルートと、小島などに移動する5つの小ルートがあり、オルレのシンボルである「ガンセ(小さな馬)」のオブジェを目印に進む。未舗装の小道を歩いて自然を堪能できるだけでなく、コースにはバスも走り、レストランやカフェ、土産物店に立ち寄って観光的な楽しみ方もできるのも魅力のひとつだ。
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歴史
チェジュ・オルレのルーツは、スペインのサンティアゴ巡礼路にある。巡礼に魅せられて踏破した徐明淑(ソ・ミョンソク)が2007年、故郷の済州島を舞台に、地域ぐるみで旅行者をもてなす道をデザインした。わずか5年で完成させた全26のコースは、山や森の小道を歩き、市場や農家などで地域文化を体験できるコースを目指している。トレイルの哲学は、日常生活から離れ、ゆっくりとした時を過ごすこと。島は5世紀に朝鮮王朝に併合されるまで独立国だったため、朝鮮半島とは異なる風習や文化も見られる。
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自然
「済州火山島と溶岩洞窟」として世界遺産に登録され、火山島ならではの自然が残っている。小高い丘を意味する「オルム」が368もあり、透明度の高い海、溶岩が海に流れ込んでできた柱状の奇岩を眺めることができる。韓国の最高峰である漢拏山(標高1,950m)はオルム、渓谷、絶壁など変化に富む地形に恵まれ、現地では母なる山として親しまれている。島には120以上の溶岩洞窟が点在し、島の東には世界屈指の溶岩系洞窟が広がる。
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済州島にはオルレと呼ばれるトレッキングルートがたくさんある。全26ルートのうち、21のルートをたどれば島を一周できる。残り5つは小島などに移動するいわば寄り道ルートである。 オルレとは島の方言で「大通りから家につながる細い小道」を意味する。自然のままほとんど手が加えられていない小道であっても、オルレの顔である「ガンセ(小さな馬)」のオブジェが、道案内をしてくれる。矢印の形をしたオブジェもあり、青色は島を時計回り、オレンジ色は反時計回りの方向を示す。 火山島なので溶岩地形や溶岩洞窟など独特の地形が楽しめる。大自然を自分の足で歩いた後は昔ながらの市場に立ち寄り、レストランでおいしい郷土料理を食べることも可能。地元の名産品を売る土産物店もある。道中は漁業や農業など、この土地の人々の営みの様子を肌で感じ、文化を体験できるのも大きな魅力だ。2012年にオルレが始まってからの10年間で、オルレは済州を代表する観光資源になった。 最初につくられたルート1は、オルムに登った先に上れば城山日出峰(ソンサンイルチュルボン)と牛島の景色が目の前に広がる。 ルート5は、韓国でもっとも美しい海岸散策路とされる「クノン景勝地」を通る。高さ10m以上の奇岩の上を通り、眼下には透明度の高い海が広がる。溶岩の上であっても足場は安定して歩きやすい。道沿いには、名物のみかんや地元のお菓子を販売している露店が並んでおり、立ち寄ってみるのもおすすめだ。西帰浦(ソギポ)を通るルート6は、天地淵の滝の上の散策路を経て、西帰浦市内と海辺を楽しめる。 ルート11の「モスルポ~武陵オルレ」は人気ルートのひとつ。「コッチャワル」と呼ばれる南西部の原生林を通過する17.8kmの道のりで、溶岩によってつくられた岩盤の上に植物が自生する世界的にも珍しい生態系を目にすることができる。 点在する観光地をめぐるのではなく、足で歩き、線で結ぶことで、今まで見えなかった済州島を知ることができるだろう。 ※最新情報は現地サイトにてご確認ください。