アパラチアントレイル
アメリカ
歩く距離・日数3500km、6カ月
基本情報
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特徴
ジョージア州のスプリンガー山から、アパラチア山脈の稜線をたどり、メイン州のカタディン山までアメリカの14州にまたがる3,500kmのロングトレイル。「長い緑のトンネル」という愛称を持ち、ルートの大半が森の中を行く。アメリカでもっとも多くの人が歩くトレイルであり、毎年300万人ものハイカーが訪れている。広く親しまれているのは、アクセスがしやすいからだ。どこからでもトレイルに入りやすいように、標識も充実しており、きれいに整備されている。
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歴史
アパラチアン・トレイルの構想が初めて浮上したのは1921年のことだ。自然保護主義者ベントン・マッケイが計画を立ち上げ、1937年に完成した。それ以降は、幾度となくコースの延長と改良が加えられている。そのため、現在のルートは当初の計画とは大きく異なっている。1968年に最初のナショナル・シーニック・トレイルとして指定を受けた。民間のボランティアによって維持されており、その理念や運営体制などは信越トレイルをはじめとするトレイルの参考にされている。
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自然
アパラチア山脈の一部であるグレート・スモーキー山脈国立公園では、1,800頭とも言われるクロクマの集団が生息している。公園内では、約1万種の動植物が確認されており、未確認の生物が9万種と見積もられている。美しい森が伸びているトレイルにあっても、ハンドレッド・マイル・ウィルダネスの紅葉は格別だ。赤、オレンジ、黄、緑に彩られたカラフルな森がどこまでも続いていく。ホワイト山脈のプレジデンシャル・レンジは荒涼とした稜線からパノラマが楽しめる。
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アパラチア山脈の峰々をたどり、アメリカ東部を縦断するロングトレイルだ。アパラチアントレイルは南からジョージア州を皮切りにメイン州まで、14州を通過する3500kmの道のりになる。さらに距離だけでなく、このトレイルを訪れるハイカーの数も驚異的だ。毎年300万人前後がアクセスすると言われ、アメリカでもっとも多くの旅人が歩くトレイルになっている。 トレッキング専用路としては世界最長を誇り、トレイルの総距離が2,000マイル(3,200km)を超えることから、全区間を踏破した者は2,000マイラーと呼ばれる。パシフィック・クレスト・トレイル、コンチネンタル・ディバイド・トレイルと並んで北米三大トレイルに数えられている。 スルーハイクを試みる場合、多くのハイカーが春にジョージアのスプリンガー山を出発し、北端のカタディン山を目指す。ただし、ゆったりとマイペースに構えることはできない。メインのバクスター州立公園が10月15日に閉鎖するからだ。この「関門」を突破しなくては、どれだけ心身が充実していようとも、道半ばにしてトレイルを下りなくてはならない。 半年にわたる長い旅で、ひどい暑さや横殴りの雨、雪に見舞われることもあり、さまざまな気象に遭遇するだろう。日常とは異なる自然の中に身を置くのだから必然である。 コース全体のアップダウンを総計すると、140kmに達する。北米大陸の最高峰であるデナリ(標高6,190m)を22回と半分登ってようやく達する数字である。 「長い緑のトンネル」の別称を持つアパラチアン・トレイル。大半は森の中を歩くためだが、それだけでなく、通過する14州は、それぞれに独自の魅力がある。プレジデンシャル・レンジは、ホワイト山脈に位置し、森林限界を超えた岩稜を歩き、壮大なパノラマを楽しめる。この山域では、時速372kmという世界記録となる暴風が吹き荒れたこともある。 アパラチア山脈の一部であるグレート・スモーキー山脈国立公園には、約1万種の動植物が確認されており、さらに未確認の生物が9万種と見積もられている。また、ハンドレッド・マイル・ウィルダネスはこのロングトレイルの中でも、もっとも野性味にあふれた区間である。美しい景色を望めるが、同時に急流、深く沈み込む泥たまり、険しい傾斜などと向き合わねばならない。北に向かうルートにおける最後の難所となっている。 ※最新情報は現地サイトにてご確認ください。