アンナプルナ・サーキット
ネパール
歩く距離・日数160km〜230km 13−17日
基本情報
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特徴
アンナプルナ山群はネパール中央部にそびえる大連山だ。東西に約50kmにわたって広がっている。アンナプルナ・サーキットはその山群の周りを巡る160~230kmの道のりだ。いくつかのコースによって違いはあるが、踏破するには13~17日かかる。最高到達点となる標高5,416mのトロンパスに対し、起点となるベシサハールの標高は760mで、コースの高低差が4,500mを超えている。ベシサハールから反時計回りに進むルートが環境に順応しやすくて一般的だ。
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歴史
アンナプルナ・サーキットは1977年に初めて外国人に対して開かれた。それ以前は山々の周辺に点在する村々と外部をつなぐ貿易の道であった。現在は、世界中のトレッカーが憧れるトレイルのひとつとして広く知られている。気候や生態系だけでなく、文化的にも多様性に満ちており、ヒンドゥー教、仏教、仏教以前の宗教などに触れることができる。旅の中盤に訪れるムクティナートはチベット仏教とヒンドゥー教の聖地であり、寺院に多くの巡礼者が訪れる。
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自然
アンナプルナ・サーキットでは毎日、変化に富んだ植生、動物、気候に出会うことができる。 緑豊かな亜熱帯地帯から旅は始まり、村には棚田が広がっている。高度を上げるにつれ、落葉樹林帯、森林限界を抜けた先には荒涼とした岩山、そして雪山へとつながっていく。ルート上では、ヤク、馬、牛、マウンテンゴートなどを見ることができ、春先にはネパールの国花であるシャクナゲが山肌を鮮やかに彩る。
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アンナプルナ山群の主峰であるアンナプルナI峰は、1950年に人類が世界で初めて登頂に成功した8,000m峰だ。ネパールが開国した直後の出来事であった。 アンナプルナ・サーキットは、この大連山の周囲を巡る全長160~230kmのルートであり、世界でもっとも素晴らしい体験のできるトレイルのひとつだ。数百年前は村々と外の世界をつなぐ唯一のルートであり、商人や住民がこの道を行き来していたのと同じように、我々は旅をすることができる。 そして、その旅は多様性に満ちたものになると約束されている。亜熱帯雨林、マツの密集した林、深い峡谷、ヤク、何百種もの鳥たち。変化に富んだ風景、動植物との出会いが待っている。それらをもたらしてくれる大きな要因は、4,500mを超える高低差だ。 ただし、歓迎すべき多様性ばかりではない。気候の急変には注意が必要である。最高到達点となるトロンパス(標高5,416m)は真夏でも夜間の平均気温は10℃前後。過去には救助が要請されたこともあり、突然の豪雨や暴風などに備えておかねばならない。 ルートも多彩である。もっともメジャーなのは、ベシサハール(標高760m)から反時計回りにたどるコースだ。推奨されている理由は、1日当たりの高度上昇が抑えられ、最高点のトロンパスを越える際により簡単で安全になるからだ。 名だたる高峰、寺院や仏舎利塔など見所の多いトレイルにあって、ちょっと寄り道をすることで、さらに印象的な風景と巡り合うことができる。人気なのはアンナプルナI峰の北側に位置するティリチョ湖とアンナプルナ山脈の南斜面に広がるダウラギリ氷瀑だ。ティリチョ湖は、マナンの村から往復2日の行程だ。世界でもっとも高地にある湖のひとつ。5~9月にかけて、湖面を覆う厚い氷が溶けてターコイズブルーの湖が姿を見せ、その上に氷河から分離した小さな氷山が浮かぶ。 ルートは全体を通じて標識が整備されており、少し歩けば村やティーハウスがあるため、テントや寝袋、複数日分の食料を携行せずに歩くことができる。沿道の村ではおおむね英語が通じる。事前に許可証が必要となるので、カトマンズかポカラで取得する必要がある。 ※最新情報は現地サイトにてご確認ください。